ICHIROYAのブログ

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スマホの新しい病、「FOMD」に罹患していませんか?

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FOMAという言葉がある。
“Fear of Missing Out"(取り残されるんじゃないかという恐れ)、つまり、「ソーシャルメディア依存症」のことだ。
もう、説明不要かと思う。思い当たるひとも多かろう。
まあ、いっぽう、僕のように、ソーシャルメディアからは、距離を起き始めている人も多そうだ。

FOMAという言葉も知らないうちに(今日知った!)、”FOMD”という言葉を使い始めている人達がいる。(たとえばこの記事
これは、”Fear of Missing Documentation"の略で、直訳すると「記録を残し忘れる恐れ」のことだ。
つまり、どこかへ旅行したり、レストランで食事をしたり、友人と遊びに行ったり、綺麗な夕焼けをを見たり、海に犬を連れて泳ぎに行ったりしたとき、要は、何かのイベントが発生した時に、スマホのカメラで、必ず写真を撮る、そのため、始終、バッテリーの心配をしたりしている、そういう「すべてカメラで記録に残さなきゃ」という強迫観念にも近い執着心をもった状態をさす。
その写真は、フェイスブックや、Instagramやtwitterに投稿するのか、ラインで知人に送られる。もしくは、いつか、友達に見せるために、データーとして残しておく。
で、いつの間にか、「そのときの体験を五感でたっぷりと楽しむ」ことよりも、「一番良い写真を撮って残す」ことの方が優先順位が高くなってしまう。

この造語が、どこまで一般的になるのかは、まだわからない。
でも、そういう状態は確かにあるし、いま、それを的確に表現する言葉が見つからないことを考えると、ある程度は広まるような気はしている。

そもそも、みんなカメラが好きだ。
僕も3,4年前、デジイチを買った時、そんな状態になった。
フィルムカメラと違って、いくらでも写真が撮れる。そして、体験を楽しむことより、いつの間にか、良い写真を撮ることで、頭がいっぱいになってしまうのだ。
どうせ、才能も腕も、技術を磨く忍耐力もないので、たいした写真は撮れないのだけど、なにはともかく、頭の中はそんな風になってしまうのだ。
そして、それは、アマチュアカメラマンのすべてが辿る道のようである。
◯◯寺で紫陽花の花が満開!などというニュースにつられて、紫陽花を見に行けば、いかに多くのアマチュアカメラマンが、「花を楽しむ」ためにではなく、うまくもない(失礼!)「花の写真を撮る」ために、大挙してやってきて、熱心にカメラを構えているのに出会うだろう。
もちろん、僕も、「うまくもない写真を撮る」アマチュアカメラマンの方に参加していたから、気持ちはよくわかるのだ。

要は、あのアマチュアカメラマンの精神状態に、スマホをもった、多くの人びとが陥っているってことだ。
せっかく素晴らしい体験をしているのに、写真に執着するあまり、その体験の素晴らしさを部分的に損なっている。
そして、その規模は、アマチュアカメラマンの数どころではなく、スマホ愛用者の何割かがそんな状態になっているとしたら、ちょっと、恐ろしくはないか?

その料理、写真撮ってる間に、冷めちゃいますよ、とか。
結婚披露のパーティーなのに、スマホで写真撮影会みたいになってますよ。写真はちゃんとプロが撮っているから、そんなに写真要らないんですけど、とか。

だから、やっぱり、この言葉は、ちょっとココロにとめておいた方がいいかもしれない。

FOMD”
”Fear of Missing Documentation"

by dalioPhoto