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ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

★★★当ブログはじつはリサイクル/アンティーク着物屋のブログです。記事をお楽しみいただけましたら最高。いつか、着物が必要になった時に思い出していただければ、なお喜びます!お店はこちらになります。★★★


パタゴニア創業者の4つの教えとルアービルダー西根さんのこと

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by Sam Beebe, Ecotrust

 

きっと、今日の話は、まとまらない。
最初に、言っときます。

パタゴニアといえば、その環境保護・公正な取引の姿勢で高く評価されるアウトドアウェア・用品の会社で、その名前を知らないひとは少ないだろう。
そのパタゴニアの創業者・オーナーのイヴォン・シュイナード氏は、現在74歳。
パタゴニア最新カタログの中で語っておられることが、非常に興味深かった。

 

1.思想を徹底すればビジネスは持続可能である

パタゴニアのビジネスはその思想が受け入れられ、不況の中にあっても非常に好調である。
素晴らしいことだと思う。
パタゴニアの経営哲学の中には、自らの成長の足を引っ張る要素が多分にあるにもかかわらずだ。
たとえば、

2.消費者であることをやめて、地球市民になれ。

という主張をしているイヴォンは、自身が、20年前のパタゴニアのフランネルのシャツを着ているし、なるべく大切に長く着よう、不要になったら、ebayで売っていただいたら結構だし、会社に返してくれれば、再生します、と言っている。
新しいデザインの、最新機能のものがいつでもベストとは限らず、それを、事業発展の原動力にもしない。
彼の、再生可能で自然に優しいという哲学は徹底していて、ビーフも、ひとから振舞われる状況になければ食べず、もっぱら魚を食べている、という。

たくさん買うのをやめ、長く使えるものを少しだけ買って、大事に使い、使い終わったあとは再生する。
いわば、「消費中毒」から脱却して、再生可能なシンプルな生活にすることが重要だ、と。

だけど、彼は、非常に現実的でもある。

3.楽観的にではなく、悲観的に考える。

地球の環境が危機に瀕しているのは、政治のせいでもなく、企業のせいでもなく、我々自分自身のせいだ。
オバマ大統領の演説のなかでも、「地球環境」への危機感に対する言及は少なく、人々の感心のほとんどは、「自分の身の安全」に向けられている。
若いひとたちも、自然との接点が減ってしまっている。
彼らをアウトドアに連れ出し、自然の姿に触れさせて、それがいかに素晴らしく、また、壊れやすいものか、教える必要がある。


4.シンプルに、シンプルに。

人生も、スポーツもシンプルにすることが必要だ。
たとえば、近年、「フィンレス(フィンのない)」サーフボードが生まれたが、自然・波に逆らわないそのスタイルは素晴らしい。
まったく逆の方向にあるのが、「トゥイン・サーフィン」で、10メーターを越す大波に乗るために、ジェットスキーに牽引させてテイクオフする。
「フィン」すらなくして、サーフィンをシンプルにする。
それこそが、サーフィンやクライミング、そのほかのスポーツの、今後の臨むべき方向だし、人はそんなふうに生きるべきだ。

 


時間の制約があったので、すっ飛ばして読んで、自分の言葉でまとめた。
大きく間違ってはいないと思うが、時間の許すかたは、ぜひ、原文に当たられることをオススメする。

 


で、このカタログを読んで、十数年以上昔に出会った、ひとりのルアービルダーを思い出した。
僕が百貨店の企画担当だった時に「ハンドメイドルアー・バス釣り展」というイベントをし、当時有名だったハンドメイドルアーの作り手たち十人以上に直接出店交渉をした。
素敵な方ばかりだったのだが、その中に、西根さんという若い方がいた。
彼の作るルアーは、とにかくリアルで、先輩の有名ビルダー(ルアーの作り手のこと)たちからも一目おかれていた。

西根さんは、出店を快諾してくださったのだけど、その時、「カナダに行く(移住する)」とおっしゃっていた。
当時も、今も、世界を見渡しても、彼ほどのリアルなルアーをつくる人はおらず、さすがに彼ほどの技量があれば、「世界」の頂点が目指せるのだな、と納得がいった。
ただ、ほかの趣味の世界と同じで、ルアービルダーの世界も甘くはない。
それを専業にしていくには、日本国内でも、どれほど厳しい世界か、ほかのビルダーさんからも聞かされていた。

西根さんのハンドメイドルアーの技術、日本人の技術が、世界で認められる日が、きっと来る!
西根さんのチャレンジを、どれほど羨ましく思い、その成功を祈念したことか。

そして、あれから十数年経った。
僕は会社を辞め、自分のビジネスを始め、こんなブログもかいている。
で、突然、西根さんは、どうなったろうか、と気になって、検索してみた。

西根さんは、彼が言ったとおり、カナダで、ルアービルダーをやっていた!
最近、僕は、ルアーフィッシングからは離れ気味なので、ブログを読んでいてもよくわからないこともある。
だけど、はっきりしていることは、彼のルアーは本場アメリカのプロフィッシャーマンたちにも使われ、アメリカの大手の釣具会社向けのプロトタイプの製作なども手がけており、当時、彼が思い描いていたことが、しっかりと実現しているってことだ。

さすが、西根さんだ!
おめでとうございます!

しかし、彼のブログを読んでみて、カナダに移住した当時の苦闘がしみじみと伝わってきて、2度びっくりした。
ブログによると、当初、カナダに移住したとき、その町の町おこしに絡んだスポンサーがいたという。
だけど、そのスポンサーがいきなり倒産した。
まだ言葉も喋れず、ルアーを売る販路もなく、日々の暮らしに困った。
食べるものがないので、仕方なく、自分の食糧を得るために、ルアー(正確にはメタルジグ)を作り、それでオカズの魚を釣った。野菜なども山でとり、自分で食べたり市場にもっていって売ったという。
そのルアーは、なんせ、命がかかっている。釣れなければ、飢えて死ぬほかない。
で、自然と、地元でめちゃくちゃ釣れるルアーになり、それが地元で評判になり、売れ始めた。
それでなんとかなりそう、という矢先。
今度は、換気不十分な作業場でルアー作りに没頭していたため、シンナー中毒になってしまう。
そして、ルアーつくりもままならず、そのまま死ぬかも、というところまで追い込まれた。
さすがの西根さんも弱音をはいて、両親に日本に帰ると電話を入れた。
が、西根さんも偉いが、両親も偉い。
そのくらいで尻尾を丸めて逃げ帰ってくるぐらいなら、もうウチの子じゃない!」と突き放したという。
西根さんのガッツは蘇り、のちに、両親が、いくらかのお金を送金してくれたことを知る。


最初に書いたとおり、
今日の話は、まとまらない。
パタゴニアの話と、西根さんの話は、ぴったりとは、重ならない。

でも、共通するところも多くある。
西根さんの生き方は、ごくシンプルだ。
会社を大きくするよりも、良いルアーを作りたい、釣り人が喜んでいる顔を見たいという思いで会社を経営されているようだ。
そして、ふたりとも、深く自然を愛されており、そのフィールドで遊ぶことを何より楽しんでいる。


時間切れだ・・
まとまらないままに、筆をおく。

西根さん、おめでとうございます!