ICHIROYAのブログ

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覚醒夢を自由に見れるアイマスクRemee開発陣に贈る法螺貝の袱紗

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江戸時代の、ほら笛の袱紗の逸品をゲットした。
よくご存知のかたも多いように、袱紗というのは、大事な進物の上に掛けるもので、それぞれに意味がある。
長寿を祝うための高砂(おじいちゃん、おばあちゃんが出てくる)とか、夫婦和合を祈るはまぐりとか、そういったものが一般的だ。

で、この袱紗は、ほら笛だ。


デザインのテーマとしては、よほど危険だ。
だって、花がないもの。
しかも、それを、縫いで作ろうってんだから。
大きな面積を、ひたすら貝の風合いを出すために、ちくちくちくちくちくちくちくちくちくちくせねばらなず、縫い手にとっても、なかば、拷問に似た苦しみが予想されたのではないか、と思う。

でも、あえて、ほら笛。
なぜかだろう。

そのお侍さんの家系は、合戦時、ほら笛を吹くかかりだった?
そろそろ官軍が攻めてくるから、戦の用意をせよ!

いや、ひょっとしたら、お前は楽しいホラ吹きだから、っていう意味だったのかもしれない。


ところで、ホラ吹きって、どこか憎めないところがある。
ホラばっかり吹いているかと思えば、いつのまにか、大当たりしていたり、かと思えば、また、どん底にいて、また別のホラを吹いていたり。
でも、僕の友人知人には、そんな、スケールの大きな、楽しいホラ吹きに会ったことがないので、個人的な体験として、書けることはない。


で、きっと、Kickstarter(アメリカのソーシャルファウンでィングサイト)で、楽しいホラ吹き男(もしくは、女。できれば、それの方が良い)がいるだろうと思って、探してみた。


白眉はこれ。


このプロジェクトは、去年の5月に、500万円以上集めて、おおいに話題になったもの。
当時開発中だった、このremeeというアイマスクは、自由に覚醒夢が見れるという謳い文句だった。

覚醒夢とは、自分が夢の中にいると認識しながら見る夢のことだ。
たしかに、そんな体験をたまにすることがある。
このremeeを装着して寝ると、自由に覚醒夢を見ることができる。
そして、その覚醒夢の中で、自分が望んだ通りの夢を見ることがきるのだ。
たとえば、パリの上空を飛んだり、アフリカでハンティングをしたり、火星に行ったり、極小になって素粒子の世界をのぞきに行ったり、頭の髪をちょっと増やして初恋のひとに会いに行ったり、透明人間になって・・・・

とにかく、夢とはいえ、覚醒夢のなかで、そんなことが自由にできる、というのだ。

興奮せずにいよ、というほうが、無理というものだ。
お金も支援者もどかんと集まった。


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そして、今年の5月、発売されていた。
なんと、「5色から好きな色を選べて」、たった95ドルである。
無限の自由が、95ドル!

こちらの販売サイトを見て、危うく、注文しかけた。
黄色と白、赤は売り切れなので、青で仕方がないな、と。

しかし、ちょっと不安になって、評判はどうかと調べてみた。

こちらのサイトに詳しいレビューが掲載されていた。


なんと、僕がこれをつけて寝たとしても、当初、喧伝されていたように、簡単に覚醒夢を見ることはできないそうだ。
僕のように舞い上がって買ってしまった多くのユーザーから、誇大宣伝だ、とか、サギだとかいう声も上がっているらしい。
ただし、普段から、覚醒夢を見ようと、研究して、取り組んできたひとたちには、同種の装置と値段を比較すると、効果も変わらないながら、値段が破格に安く、サギとは言い切れないようだ。

要は、remeeは、覚醒夢のプロ、もしくは、アマチュア上級者用なのだった。
ええ~それじゃ、話が違うじゃん!
誰でも簡単に覚醒夢が見れるって、言ってたし・・・

僕は、このプロジェクトを今知ったばかりで、期待と落胆を1時間で味わった。
けど、去年、Kickstarterでこのプロジェクトを知ったひとたちは、さぞ、コーフンした1年を過ごし、そして、谷底へ突き落とされるような、大きな落胆を味わったことだろう。


いや、それにしても、そんな夢を見せてくれる、ホラ吹き。
やっぱり、憎めない。


このプロジェクトのメンバーに、何か贈り物をするとしたら、やっぱり、上に紹介したホラ笛の袱紗だな。
ただのホラだったと言われないように、がんばってくれよ!っていう、思いを込めて。

まあ、とにかく、あきらめずに開発を続けて、いつか、僕が生きているうちに、当初宣伝したとおりのものを製品化してくれろ。
だって、夢でもいいから、透明人間になってみたいんだもん!