ICHIROYAのブログ

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なぜ竜巻から走って逃げることができないのか

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by Fadil Basymeleh

アメリカの竜巻で、大きな被害が出て、いまも救助活動が続いている。
被害者のかたの冥福をお祈りするとともに、救助を待つ人達に、一刻も早い救援の手が届くことを祈念している。

ところで、アメリカは竜巻の被害が多く、日本でも、最近は竜巻が起きるようになっている。
竜巻は、台風などと違い、限られた範囲の被害なので、あとからその被害の軌跡を見たりすると、なぜ、走って逃げられないのか、と素朴に思うことがあった。

たとえば、今回の竜巻は、

被害の広さ:32kmの長さ、幅最大3km
時間:40分

 であり、その速度は時速21キロである。
平均的な自転車の速度だ。

最大幅が3kmだから、進行方向と直角に逃げれば、距離にして、1.5km。
自転車だと5分。徒歩だと、20分強になる。

徒歩では、厳しそうだけど、自転車や車で逃げるのは、容易なようにも思える。
でも、やっぱり、それは危険なようだ。
アメリカのサイトには、竜巻の被害を避ける方法について、色々と書かれており、それを読んで、ようやく、僕も理解した。


1、竜巻の移動速度は車より早い

今回の竜巻は、移動スピードが遅く、それが被害を拡大している。
普通の竜巻の速度は、時速43km~47kmほどである。
しかも、大型のものでは、時速120kmに達するものがある。
サーキットで直線を走るならいざしらず、普通の道を走るより、竜巻のほうが早いのである。


2、竜巻の進行方向が予測不可能

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北半球の竜巻は、おおむね、北東方向へ向かうものが多い。
図は、2011年4月の竜巻の軌跡を描いたもの(こちらのサイトから)だ。
たしかに、傾向としては、北東方面に一直線に向かっているものが多い。
だが、たまに、西南方向へ向かうものもあり、「かならず一直線に北東方向へ向かう」わけではないのだ。
近づいてくる竜巻の進行方向から直角に方向を取って逃げ出したとしても、竜巻がその方向へ向きを変えない保証はない。


3,まだ、竜巻が遠いからと、自動車で逃げるのは、最高に危険

東日本大震災で、避難途中の車を、津波が襲った記憶が鮮明だ。
竜巻も津波同様、まだ、遠いからと車で逃げるのは、相当危険なようだ。
逃げようとする車で、道路が混雑し、のろのろ運転になる。
竜巻に伴う、暴風雨で、道が通れなくなっている可能性もある。
路上で立ち往生するリスクがとても高い。
そして、もちろん、竜巻を車の中でやり過ごすのは、不可能だ。


つまり、そういうことだ。
もし自分がアメリカを旅行中で、竜巻に遭遇したら、車も乗り捨てて、とにかく、地下室のあるお家に、早い目に避難させてもらうこと。
それが、生き残る早道だ。

ご参考まで。