ICHIROYAのブログ

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ユニクロが、「世界一、親切な会社になる!」と宣言する日が必ずやって来る理由 PARTII

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以前に書いた記事「ユニクロが、「世界一、親切な会社になる!」と宣言する日が必ずやって来る理由」に、tom-wさんが、このように書いてくださって、ああ、ホンネで勝負のはてな界隈にも、そういうひとがいるんだな、と思い、めちゃくちゃ嬉しかった。


「真っ向から否定する人がほとんどだと思いますが、僕は、お金は無機質なものではなくて、つま り、自分だけが豊かになるために使うのではなくて、同時にお金を支払う相手・支払う会社の従業員・その会社が関わっている人(チャリティーの支援先など) も幸せになって欲しいと思って流通するものだと考えていて、そういう想いで経済は成り立つという、言ってみれば「ユートピア」みたいなものを真剣に信じて いる人間なので」以上引用


で、調子に乗って、この流れの話を、もうひとつ紹介する。

ボイコット(Buycott) というiPhoneアプリのことだ。

スーパーに行く。
もし、あなたが意識の高い消費者であれば、けっして買いたくないメーカーの商品もある。
たとえば、モンサントの商品は、絶対に買いたくない、ボイコットする!と決めているとする。
しかし、どれがモンサントのもので、どれがモンサントのものでないのか、ラベルではわかりにくい。
だって、モンサントほどの会社であれば、たくさんの子会社もあり、その子会社の名前まで、あなたは覚えておくことができない。
だから、注意はしていても、知らぬ間に、モンサントの商品を買ってしまう。

だけど、このアプリを入れておいて、スーパーで買い物をする前に、バーコードを写真に撮って、このアプリに読み込ませる。
すると、上の写真のように、そのブランド・会社が、どの会社と資本関係にあるのか、子会社なのか、即座にわかるのだ。


それだけではない。
たとえば、僕が、遺伝子組み換え技術で作られた作物は避けたい、そして、そのアクションを皆と共有したいと思っているとする。
で、調べて、遺伝子組み換え食品の表示義務に反対する運動に15万ドル以上寄付している36の大企業のリストをつくった。
この36の企業リストを、「遺伝子組み換え食品の表示義務推進運動!」として、このアプリに登録することができるのだ。
これは、実際に、「Demand GMO Labeling」として登録されている運動で、1ヶ月強で、すでに、1万以上のダウンロードを記録している


このアプリの凄いところは、たとえば、モンサントのボイコットを薦めている団体がつくったものではなく、賢い消費者になるための、「民主的な」プラットフォームを提供している点にある。


誰でも、その運動の起点になりうるし、それが納得性のあるものであれば、容易に共有されて広がっていくのだ。
そして、このアプリは、何をボイコットすべきかを知るだけでなく、たとえば、何を買ってどんな企業を応援すべきかを、登録することもできるのだ。たとえば、「LGBT(性的少数者)」を支援する運動を支援している企業のリストなどを。


こういうアプリができて、人気になる。
消費者はますます賢くなり、企業にも道徳性を要求する。
「もっとも良い物を、もっとも安く」という基準が、「もっとも良い物を、もっとも安く、もっとも道徳心をもって」という基準に変わっていく。
そして、何事も世界一で最先端、という柳井さんの哲学なら、ユニクロもそのように変わっていかなくてはならない、変わっていくはず、という結論になるのだ。


tom-wさんが書いてくださっている。

その結果が「良心を持った資本主義」にならなかったとしたら、僕の理想はマイノリティーだったということ。ただそれだけなんだと思います。」


そうなのだ。
いままでは、たしかに、マイノリティーの理想だったかもしれない。
が、それを覆すかもしれない、様々な芽が、あちこちで育ちつつある。
僕はマイノリティーのまま死ぬのかもしれないが、やがては、それが大きな樹々となって、この星をもっとみずみずしいものにしてくれる日が来ることを、確信しているのだ。