ICHIROYAのブログ

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60万円で落札されたTo Do Listに書かれていたこと

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これは、2010年、オークションに出品され、落札されたある有名な「To Do List」だ。落札価格は、6,400ドル(約60万円)。
そのリストの内容が、あまりに素晴らしいので、ネット上で再三話題になっている。
「To Do List」は、
現在するべきことを書き出したもので、ふつうの人のリストは、「○○を買う」「○○に電話をする」「○○を書く」など具体的な項目が並ぶ。
でも、このリストには、チェックボックスの後にこう書かれている


1. Not smoke  (煙草を吸わないこと!)
2. Kiss June   ( ジューンにキスをすること)
3. Not kiss anyone else (ジューン以外にはキスをしないこと)
4. Cough    (咳をすること)      
5. Pee     (おしっこをすること)
6. Eat     (食べること)
7. Not eat too much  (食べ過ぎないこと)
8. Worry    (気にすること)
9. Go see Mama (ママに会いに行くこと)
10. Practice Piano (ピアノを練習すること)


あくまで自分の覚えのために書かれたこのリストが、どんな気持ちで書かれたのか、定かではない。
いくらなんでも、「Pee」をリストに書かなくても、忘れないだろう。
でも、なんだか、このリストを読んでいると、ここに書かれている「しなければならないこと」は、僕らがつくるTo Do Listより、より根源的な項目が挙げられているような気がするのだ。

ちなみに、これを書いたのは、アメリカのもっとも有名なカントリー・ロック歌手のひとり、ジョニー・キャッシュ(1932-2003)。
日本ではなじみが薄いが、死去するまでに放ったヒット曲数は140曲以上、グラミー賞11回受賞、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」で第21位という偉大な歌手だ。

順風満帆のキャリアも、Wikiによると、辛苦にも彩られていたようだ。
子供のころ、事故で兄を亡くす。
父は冷たく彼に言い放ったという。「悪魔はできる子のほうを奪った」と。
この言葉は、生涯のトラウマとなった。
麻薬中毒となり、アンフェタミンを持ち込もうとして逮捕されたこともある。

しかし、獄中で囚人たちから多くのファンレターをもらったジョニーは、囚人たちを勇気づけようと獄中でライブを行い、そのライブ盤を発売して大ヒットとなり第一線に復帰。
また、1968年、コンサートで演奏中に、ジューン・カーターにポロポーズ。
「君と結婚したい。今返事してくれないとこれ以上歌えない」と訴え、後世に語られる伝説のプロポーズとなる。

上のリストに出てきた、ジューンとは、彼女が亡くなる73歳まで連れ添った、その最愛の妻のことだ。
そして、ジョニー・キャッシュも彼女を亡くしてわずか4か月後に後を追うように亡くなっている。

そう、それで、彼は、「ジューンにキスすること」「ジューン以外にはキスをしないこと」と書いていたのだ。

それにしても、「Worry」(心配すること、気にすること)とは、何を指していたのだろう。
ジューンの健康か、家族の健康や将来のことだったのだろうか。
そして、それを、わざわざ、書くひとが、ほかにいるのだろうか。

リストの9番目は、「ママに会いに行くこと」

そうだ。

そういえば、来週の日曜日は、「母の日」だ・・・