ICHIROYAのブログ

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NPOかソーシャルビジネスか・・・善意から始めて、社会の変革を目指す、どこまでも続く茨の道

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by Spencereblake


ずっと気になっているクラウドファンディングだけれど、日本でも、近々、ベンチャーの小口資金の調達方法として使うことが解禁されそうな雲行きになってきた。

現在でも、ネットを通じて、社会に貢献するプロジェクトを応援するサイトが、日本でも立ち上がっており、さまざまなプロジェクトに資金が集まっている。
たとえば、クラウドファンディングサイトReadyForで紹介されている「東ティモールの貧困層のために格安運送サービスをつくります!」というプロジェクト。
その素晴らしさは、すこし時間を割いて彼らのアイディアを読まないといけないのだが、要は、現在、農村部へ物品を運んで、空荷で帰っているトラックの情報を、貧しい農村部の人たちに、携帯アプリで提供して、格安での農産品運送を実現しようとするものだ。
そのために、100万円の支援を集めようとしている。
現地の情報もよくわかっておられるようだし、現地にパートナーもいる。
もし、プロジェクトが成功して地域4500世帯に、格安運送が実現したら、とっても素晴らしい。
わずか1万円だけど、応援してみることにした。

ところで、このプロジェクトも、いわば「寄付」である。「寄付」がうまく実を結んで、長きに渡って、自律的に運営され、人々の生活向上に寄与するのか、とても、興味がある。
プロジェクトが成功すればニュースレターを送ってくださるようなので、今後の成果を追っかけてみたい。

あと392,000円です! あなたもぜひ! 登録も簡単で、クレジットカードで簡単に支払いできます!ただし、Webに書いてる以上のことを知っているわけではないので、自己責任でお願いします~~)


さて、クラウドファンディングは、3つに分類される。(以下Wikiより引用)

 

’クラウドファンディングは資金提供者に対するリターン(見返り)の形態によって3種類に大別される。リターンのない「寄付型」、プロジェクト成功時に金銭 が支払われる「投資型」の他に、プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」がある。国内では資金決済に関する法律等によって個人間の送金や投資が制限されていることから、購入型のクラウドファンディングが普及している。’


上記のプロジェクトは、正確に言うと、「寄付型」+「購入型」である。
本場、アメリカでは、映画やゲームの制作に、「投資型」が使われることが多い。さらに、最近、私企業が一般投資家から資金を調達するのに、このクラウドファウンディングが使えるようになりつつあり、日本もそれに追随しようとしている。
色々と課題はあるだろうけど、多くの人々、投資家が、より社会のことを考える良い機会になるだろう。


ところで、なにか、世界を、社会を、良い方向に変える運動をしたいとすると、NPONGOだけでなく、最近は、「ソーシャルビジネス」という選択もある。(以前に書いたソーシャルビジネスに関する記事
もし、僕が、本気でそういったことがしたいと思えば、NPOを設立する方法と、ソーシャルビジネスをする会社を設立する(もしくはいまの会社をそう変える)方法がある。
僕は基本的にビジネスマンなので、ソーシャルビジネスのありかたに魅力を感じている。

たまたま、ソーシャルビジネスの理想の先例について調べてみたら、「パタゴニア」がソーシャルビジネスの大きな成功例とされていることを知った。
そういえば、僕も一時、パタゴニアのジャケットを買ったこともあるし(冒頭の写真は僕じゃないけど、パタゴニアのフィッシングジャケットを着て、満足の一匹!)、昔、「社員をサーフィンに行かせようーパタゴニア創業者の経営論」を読んで、感動した。

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論


「オーガニックコットンしか使わない」、「売上の1%を草の根環境保護グループに寄付」、「パタゴニア製品を縫製する全労働者の労働条件および賃金を規定」など、徹底した環境保護活動、フェアーな労働環境・条件に徹底的にこだわる姿勢は、いまも健在だ。(参照:環境保護への行動:責任ある企業を目指して

だけど、そんな彼らでさえ、こう述べている。

「それでも、パタゴニアは完全に責任ある企業にはなれないかもしれません。道は長く、地図もありません。しかし地形を読みながら、次の段階へと一歩ずつ進んでいく方法はあるのです。」

たしかに、パタゴニアと言えど、ソーシャルビジネスを徹頭徹尾「ソーシャル」にするのは、簡単なことではないのであろう。
たとえば、環境保護団体シーシェパードに、寄付をしていることがわかり、日本の消費者から批判されたことがある。
パタゴニアは世界で55店あるが、そのうち18店は日本にある。
日本の消費者からそっぽを向かれたら、ビジネスは急速に縮んでしまう。
そのときにパタゴニアから出されたコメントがWikiで読めるが、さすがに歯切れが悪い。


どっちを向いても、何を頼りに歩いても、社会を良い方向に変えたいという思いは、至難の続く、長い茨の道である、ということなのだろう・・・