ICHIROYAのブログ

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ヒッチコックの「鳥」を、ペンギンでリメイクしたら




どうやら、いつもニコニコ(ニヤニヤと言う失礼なひともいるが)の僕は、人一倍、人が良さそうに見えるようなのだ。
世の中には、見るからに、コワオモテな人もおり、あいかわらず、世のなかは不公平、不条理で満ちている。

人が良さそう、というのは、商売人には向いているようにも思うが、世の中、そう簡単には問屋が降ろさない。
往々にして、 人が良さそう→気が弱そう→なんでも許してくれそう、となり、周りのひとたちが、一歩一歩、僕には許しがたい領域に、踏み込んでくるのだ。

僕は、争いが嫌いだし、 スタッフを叱ったりするのも、できればしないですませたい。
だけど、我慢していると、一歩が二歩になり、三歩になり、気がつくと、いくらなんでも、それは失礼でしょ、ダメでしょ、というところまで到達していることに気づく。

で、仕方がないので、ごくたまに、バクハツする。
普段、ニコニコしている分、落差が大きく、さすがに、相手も怯んで、僕が普通の人間であること、守るべきものを守るためには、捨て身にもなることに気づくことになるのだ。


で、そんな僕が、親近感を感じるのは、ペンギンである。
日本人は、ダントツのペンギン好きで、世界で飼育されているペンギンの4分の1は日本にいるそうだ。
あいかわらず、Kawaiiものが好きな国民性である。 


上の写真は、 珍しいペンギンの柄の銘仙の着物。
かつておしゃれ着だった銘仙は、そのときどきの世間の話題を柄に取り入れることがある。
この銘仙は、戦後、1950年代の南極観測隊の活躍に触発されたものと思っていた。
しかし、今日、調べてみて、ペンギンが 日本にもたらされたのは、もっと早い時期だと知った。
大正4年(1915年)、チリから上野動物園フンボルトペンギンがもたらせており、昭和5年(1930年)にも、南アフリカのケープペンギンが阪神パークに来ている。
そのとき、きっと、初めて見るかわいいペンギンたちに、世間は沸騰したに違いない。
上のペンギンの銘仙も、そのころにつくられたものなのではないか、と思いはじめた。
 

しかし、と思うのだ。
ペンギンってほんとうに、かわいいのか?
ヨチヨチ歩く姿は、たしかに、赤ちゃんみたいだ。
でも、かわいいイメージはそれだけじゃないのか?
かなり愛想のない目つきをしているし、水中を弾丸のように泳ぐ姿は、暴走族のようだ。

ヒッチコックの「鳥」の舞台が竜宮城だったら。
襲ってくるのは、鋭い目をしたペンギンたちだ。
ぜんぜん、違和感がない。


なあ、ペンギンくん。
僕ら、かわいいだけじゃないよな!
 


By Chantal Steyn