両手のない世界初の女性パイロット!(自ら天井をつくるのはよせ!)
10才のころは、ひょっとしたら空を飛べるかもしれないと思っていた。
20才のころは、人気作家になれるかもしれないと思っていた。
30才のころは、取締役になれるかもしれないと思っていた。
40才のころは、何もできずに死ぬかもしれないと、はじめて恐怖を感じた。
50才を超えたいまは、それでも、自分のやりかたで、世間の役に立つことが、何かちょっとだけできるかもしれないと思い始めた。
50年生きたら、できないことのリストができた。
そのリストがどんどん長くなり、残された時間はどんどん短くなる。
あれもできない、これもできない、あれも向いてない、これを試すには時間が足りない。
ほんの少し利口になった。
やってもいないのに、たぶんあれは無理。
一度失敗したから、たぶんこれも無理。
いままでやってここまでだから、あそこまでしか行けない。
ほんとに、ブレーキをかけることだけ、上手くなった。
気がついたら、自分で、あっちにも、こっちにも、天井を作っている。
きっとこの、自分でつくった天井に、すべての考えが押し込まれている。
このビデオの女性は生まれつき両手がない。
が、なんでも自分でする。
ピアノもひくし、コンタクトレンズも入れるし、車の運転もする。
飛行機の免許だって取得して、ひとりで飛ぶことを楽しんでいる。
両手のない世界ではじめてのパイロットだ。
彼女は、両手がないという物理的な天井を、らくらくと超えてしまった。
僕は、両手があるのに、いわば、空想上で両手を失って、飛ぶことはできない、と思い込んでいるようなものだ。
さあ、行くぞ!
ありがとう、ジェシカ!