ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

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家で使っていた毛布が1億4千万円になった話(2012年の実話)

 

骨董屋の夢は、安く手に入れたものが、数百万、数千万、何億と売れることだ。
それを夢見て、みんな、毎日、何千円、何万円、何十万円の損を繰り返している。


僕も、裂(布)の骨董屋なので、そんな夢想を描かないでもない。
が、裂の世界はなかなか厳しく、そういった儲け話はほとんどない。
もちろん、先輩たちから伝説のように聞かされる話のなかには、ぼろ布の山のなかに、室町時代の辻が花の小さな裂が混じっていて、それが700万円になったというものもある。
が、基本的に、裂の骨董には、そういった話は少ないし、桁が小さいのである。

しかし、去年、アメリカで、アンティークの布の分野で、180万ドル(約1億4千万)という夢のような最高記録での落札が出た!

詳しくはこちら(英語ですが、そのアイテムの画像が見れます)

アイテムは、ナボホインディアンのブランケットであった。
やはり、この世界は、超一級のものの取り引きは、景気が良い、とか悪いとか、そんなものはカンケーがないのである。
かつて、この手のブランケットの最高額は、4180万円だったということなので、3倍以上の高沸である。
もちろん、単に値段が上がったのではなく、以前の最高額のものより、状態、デザインなどが、格段に良かったのであろう。
アメリカのこととはいえ、裂の世界で、こんな金額が出たということは、本当にうれしいことである。

ところで、この落札には、なかなか素敵な話がついているのである。

このブランケットを出品したひとは、事故で足を失い、破産の一歩手前まで追い込まれていたそうである。
ある時、テレビを見ていて、この種のブランケットに、非常に高い値段がつくことを知った。
むこうにも、「お宝鑑定団」のような番組がある、
そして、自分が普段使っているブランケットが、それとそっくりなことに気づいた。
それは、両親が、おじいちゃん、おばあちゃんが、代々使っていたもので、自分も何気なく使っていたのだが、どう見ても、テレビで見たものと同じものに見える。
専門家に相談したら、やはり、それは、価値のある古いナボホインディアンのブランケットであった。

そして、オークションに出品したら、それが1億4千万円になったのである!
上の動画は英語だけど、本人が辛い日々を語り、また、オークションで、何千万円、1億、1億2千などと、みるみる競りあがっていくさまに驚き喜ぶ本人の表情などが撮影されている。

他人のことだけど、その喜びように、こちらもほろりと幸せな気分になってしまうのだ。

さあ、次は僕の番だ!
いや、あなたの番かも!