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ICHIROYAのブログ

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議論の深まらない原発問題(ひさしぶりに広瀬隆さんの講演動画を見て)

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原発をめぐる議論は、あいかわらず深まらない。
久しぶりに広瀬隆さんの講演動画を見て、その思いを強くした。

広瀬隆氏の全身全霊をこめた反原発・講演会「第二のフクシマ・日本滅亡」 in 茨城県(2012/3/21   所要時間:約2時間55分 )


肝心な点を議論せず、感情論や雰囲気に流れた声をいくら集めても、結局は、多数決にしかならない。
議論が深まらない理由は何か、と考える。


1.科学的に不明である、ということ

 

低線量被曝は人間にとって害があるのかどうか、また内部被曝をどの程度危険視すべきか。
この点について、武田先生は、「わからないのであれば、平常時に設定した基準を今も有効とすべき」とおっしゃっている。いっぽう、広瀬さんや小出さんは、「低線量の 被曝 も有害、現状の食品の基準では、内部被曝もとても危険である」と言い切っておられる。
原発推進論者は、もちろん「低線量被曝 は無害。内部 被曝も現状の基準で安全」という考えである。
この点について、充分に科学的な知見がないとすれば、議論のしようがない。
恐ろしいことに、広瀬さんの言うことが正しかった場合、何十万の癌患者が発生することになる。そして、そうなってはじめて、議論の正誤がわかることになる。

しかし、ほんとうに「科学的に不明である」のかどうか、多くのひとはわかっていない。「科学的に不明」であるのは、どういう事情なのか、その点をこそ、はっきり知りたいのだ。
本来、この点について、「安全である」という学者と「危険極まりない」という学者の間で、徹底的に議論してもらい、その議論の様子を公開してもらいたい。


2.国家の利益と個人の利益が反する 


原発推進論者は、たとえ、「多少」の原発事故があっても、国全体のためには、原発が必要という立場だ。
核兵器の製造力を保持するという意味でも原発は必要という。

もし、政治家が、ほんとうにその仕事をしているとしたら、こういう思考をしているとも考えられる。

「現在の福島の原発の状況、国土や食品の汚染状況、海洋への汚染状況などを、正確に調べて発表すれば、国として、大きな損害がでる。輸出への影響、来日観光客の減少、各国から巨額の賠償を要求される懸念、等々。だから、多少の被害が出たところで、それはやむ終えない。事故で犠牲になっているひともいるが、大多数の国民のために、事故や汚染状況は軽く見せる必要がある」


この考えは、低線量 被曝や内部 被曝のリスクが低いという前提に立っている。
しかし、そもそも、そんなことを言ってる場合なのかどうか、将来の健康被害が、為政者の想像範囲内に収まるのかどうか、わからない。


こういう議論は、政治家が公の立場ですることはできない。
「大多数の国民のために」という目的も、「人類の未来のために」という、より大きな目的の前には、利己的な考えとして、簡単に否定されるだろう。
その場に広瀬さんがいれば、きっとこう言うに違いない。
「地球を放射能で汚染してしまったのは、いわば、言われるままに、地震国に原発を乱立させたあなたがたのせいだ。どんな経済的な不利益が降りかかろうと、あなたにはそれを償う義務がある」と。

この種の議論を、政治家は、そして、わたしたちは、はたして、とことん突き詰めて話し合うことができるだろうか。


3.個人間の利害の調整を議論で解決できるのか


放射能で汚染された瓦礫の処分地をどこにするのか、というような問題は、そもそも、議論するのが不可能だと思う。
どこにもっていこうと、そこは、誰かのふるさとであり、かけがえのない土地である。

また、現在生きているものと、まだ生まれていない子供たちとの間の利害の衝突もある。現在の食品の基準は、現在の生産者・生活者の生活と、将来の子供の健康の間で、バランスをとって決められているはずだけど、その天秤は、大きく現在の生産者・生活者の生活に傾いているような気がする。
もちろん、それも低線量被曝 ・内部被曝 のリスクをどう見るか、ということに大きく左右されるんだけれど。
事故までは、そういった問題は、札束で解決して、当事者でない私たちは見て見ないふりをしていたのだ。
はたして、それを、議論して解決できるのだろうか。 



2や3にまつわることについて、国民のあいだで、いくら議論をしても平行線だと思う。
まずは、1で書いた、科学的な論拠にまつわる部分について、もっと徹底的に議論して欲しいものだ。
低線量被曝の問題だけでなく、再生可能エネルギーの現状、将来性についても、徹底的に議論して開示して欲しい。
たとえば、太陽光発電ひとつとっても、論者によって、その可能性についての意見は正反対だ。
正反対の意見を、それぞれ個別に聞いてみても、本を読んでみても、専門家でない、わたしたちは、右から左、左から右へと大きく揺れるばかりだ。


久しぶりに広瀬隆さんの講演の動画を見ていて、そんなことを考えた。
動画は衝撃的な内容だ。
2時間55分と長いけれど、ぜひ、暇なときに見て欲しい。

ぼくは、広瀬さんのこの意見に、冷静で、納得のいく、科学的な反論が聞きたいのだ。

 

広瀬隆氏の全身全霊をこめた反原発・講演会「第二のフクシマ・日本滅亡」 in 茨城県(  所要時間:約2時間55分 ) 

 

(写真は 日本の誇り 霊峰富士の刺繍 袋帯