登って逃げるか、浮いて逃げるか、潜って逃げるか、それが問題だ
ついつい、忘れてしまうが、近い将来、東海、東南海、南海地震が来ることは間違いない。
プレートの沈み込みでよく似た地震がおきる、インドネシア スマトラ沖地震では、2004年のマグニチュード9.1の巨大地震の後、なんども大きな地震に見舞われている。( 下記 Wiki より)
スマトラ沖地震の経過をあらためて見ていると、つぎの巨大地震が、いかに切迫しているか、ひしひしと感じる。
2004年12月26日 | スマトラ島沖地震 (2004年) | 9.1 | バンダ・アチェ南南東沖 |
2005年3月28日 | スマトラ島沖地震 (2005年) | 8.6 | メダン南西沖 |
2007年9月12日 | スマトラ島沖地震 (2007年) | 8.5 | ブンクル南西沖 |
2009年9月30日 | スマトラ島沖地震 (2009年) | 7.5 | パダン西北西沖 |
2010年4月6日 | スマトラ島沖地震 (2010年4月) | 7.8 | バニャック諸島付近 |
2010年5月9日 | スマトラ島沖地震 (2010年5月) | 7.2 | バンダ・アチェ南南東沖 |
2010年10月25日 | スマトラ島沖地震 (2010年10月) | 7.7 | パダン南沖 |
2012年1月10日 | スマトラ島沖地震 (2012年1月) | 7.2 | バンダ・アチェ南西沖 |
2012年4月11日 | スマトラ島沖地震 (2012年4月) | 8.6[1] | バンダ・アチェ南西沖 |
2012年4月11日 | スマトラ島沖地震 (2012年4月) | 8.2 | スマトラ島北部西方沖 |
とりあえず、揺れから生き延びたとすれば、津波からどう逃れるかだが、最近は、いろいろな設備が考案され、販売されているようだ。
1)登って逃げる
かつては、 この「登って逃げる」一辺倒だった。
しかし、津波の高さは、 従来予想されていより、相当高いらしい。
3.11では、最高遡上高が40.4mで、観測史上最高だったとされているし、2012年に再想定された南海地震による津波の最高予想高は、高知県黒潮町の34.4mである。
ざっと調べたところでは、35mというのは、おおよそ10階建てのビルの高さに相当する。
近くに10階建て以上のビルがあればよいが、そうでなければ、それ以上の高台に上る必要がある。
津波の高さは、地形にも大いに左右されるようなので、 太平洋にむきだしになっているような所、太平洋側の湾の奥などでは、5階建て程度のビルでは、安心できないということである。
2)浮いて逃げる
3.11以降、小型の救命艇のようなものを津波シェルターに、という製品がいくつか開発されて販売されている。
このノアというもののほか、プカプカ とか、いくつか販売されている。
たしかに、登って逃げることができない事情がある場合、家にこれをおいておけば、津波にのまれて、溺れ死ぬ、ということは回避できそうだ。
でも、これに乗り込んで、じっと津波の到来を待つ、というのも、相当怖そうだ。
沈まないにしても、津波に激しく翻弄されて揺れ、怪我をする可能性もあるだろうし、一番怖いのは、引き波にさらわれて、沖合いに流されてしまうことだ。
おそらく、沖合いに流されてしまったら、救助は相当時間が経ってから、となるだろう。
3)潜って逃げる
今日まで知らなかったが、どうやら、最近は、この「潜って逃げる」が、巨大津波への避難の決め手になりそうな気配である。
たとえば、高知県は、津波避難用のビルでは高さが不足し、現実には役に立たないということで、地下にシェルターをつくる構想があるらしい。
たしかに、地下につくって、水の浸入を防げば、津波の高さを心配する必要もなく、とても合理的である。
こうした計画は、高知県だけでなく、民間でもすすめられていた。
東海、東南海地震が懸念される静岡の住宅会社が、津波で流されない鉄筋コンクリートの家と、水没しても家族5人が8時間生存できる潜水型の津波シェルターをそなえた家を販売している。
もちろん、それなりにお金もかかるだろうけど、浮いて逃げるより、助かる可能性は高いような気がする。
調べてみたら、このように、津波対策も、以前よりは多少すすんでいるようだ。
しかし、あいかわらず、災害は忘れがちで、対策も、ついつい後回しになる。
つぎの巨大地震の危険は切迫しているものとの認識を忘れずに、生き残る対策を実施していきたい。
( 写真は、風神雷神図袋帯 地震はあんたたちの担当じゃないのか! )