幻の東京オリンピック
週刊文春によると、内村航平選手は、チェーンスモーカーだという。
かっこいい男は、さらにかっこ良かった。
「皆さんの応援のおかげで」などと勝利のあとのインタビューに殊勝に答え、控え室に帰ると、急いで、タバコ、タバコとタバコとライターを探して、一服。
思いっきり吸い込んで、ふああ~~~と大きなため息とともに煙を噴出す。
いい子、一辺倒でないところが、まったく、かっこいい。
帰国後は、内村選手が、うまそうにタバコを吸っている写真などが、雑誌に掲載されるだろう。
おもえば、煙草って、かっこよかったものだ。
煙草には、反骨精神と骨太の知性という強烈なイメージがあった。
煙の向こうに、苦みばしった、男の顔。
じつは、ぼくも20代途中から、10年ぐらい、煙草を吸っていた。
一日、マイルドセブン2箱だから、ヘビースモーカーといえるかどうかわからないが、とにかく、ニコチン中毒であったことは間違いない。
しかし、気管が弱いらしく、やがて、咳がとまらなくなった。
何度も何度も禁煙に失敗したあと、ある日、ひどい咳がほんとうに止まらなくて、このまま死ぬかと思うほどになった。
そうなるとさすがに吸えなくて、2,3日、咳が収まるまで吸わなかったら、その間に、身体のニコチンが抜けたのだろう、吸わなくてもすみそうになった。で、そのまま吸わずに、今日に至っている。
でも、内村選手がかっこよく煙草を吸っている写真なんか見たら、また、吸いたくなるかも。
ニコチン中毒にならず、もちろん健康にもよく、一箱180円程度の、うまい煙草はないのだろうか!
ところで、うちの在庫に、写真のようなおもしろい、アンティークの男襦袢が。
「オリンピック」「1932年」などの文字があり、1932年のロサンゼルスオリンピックをモチーフにしているようだ。
第2次大戦前後のオリンピックは、
1932年 ロサンゼルス
1936年 ベルリン。ヒットラー政権下
1940年 東京(1938年、開催を返上) 代替開催のヘルシンキ、中止。
となっており、戦後1960年の東京オリンピックのまえに、東京オリンピックが予定されて、日中戦争の影響で返上している。結局、代替開催をするはずだったヘルシンキも第2次世界大戦の影響で中止に。
この幻の東京オリンピックの開催は、1936年のIOCで決定されているので、それから2年間は、東京開催のムードだったはず。
この襦袢が何年につくられたものかはわからないが、オリンピックをテーマにしているわりには、デザインがおさえめ、というか、微妙である。
1932年には、馬術で、バロン西の大活躍があり、1932年開催直後のデザインで、それを反映していないのも、すこし変だ。(バロン西選手の活躍をデザインしたものはかなりある)
黒い雲の上に飛行機が飛んでいるデザインが、戦火の暗雲と戦闘機を示唆しているような気もする。
1932年の開催前、もしくは、東京で開催するか、しないか、戦争でそれどころではない、といった、微妙な時期につくられたのかもしれない。
ちょっと、写真が小さくて見にくいかもしれないけど、時代の雰囲気をどうぞ、お楽しみあれ。
( 写真は 幻の東京オリンピック1940 モスリン 男襦袢)