ICHIROYAのブログ

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アリジゴクのようにあなたを捕らえる常識と通説(または、夏休みの自由研究について)




子供のころ、アリジゴクと地蜘蛛は、陰のスターだった。
もちろん、陽のスターは、カブトムシ、クワガタである。

アリジゴクも、地蜘蛛も、土の中に潜って、獲物が来るまで、ひっそりと、じっと待つ。
いったい、何日に1回、アリなどがその巣にひっかかるのだろうか。
子供心にも、勝つアテのない勝負にかける薄幸な勝負師のように思えたものだ。

地蜘蛛は近所でもたくさん見つけることができたけど、アリジゴクは、旅行などで遠くの神社などへ出かけないとお目にかかれない。
神社やお寺に行くチャンスがあると、必ず、床下、軒下を覗きこんだ。

そこに、無数のアリジゴクの巣が築かれている様を見たときの興奮ったらない。

やつを捕まえようとして、指を突っ込んでみると、うまく逃げられてしまうときもある。
そのうち、巣に息を吹きかけ、砂を吹き飛ばして、アリジゴクを見つける方法を見つけた。
やつはそのグロテスクな身体が白日のもとに晒されると、慌てて、さらに深く潜る。

しかし、不思議なやつではないか!
何年もそうして砂の中にいて、アリの生き血を吸い、やがてウスバカゲロウとなってひらひらと世を飛び渡り、せいぜい3週間生きて、卵を産んで死ぬ。
やつの人生を逐一取材して伝記にしてみたいほどだ。

ところで、夏休みの自由研究の対象としても、アリジゴクは人気もののようである。
あれだけ子供のころ、アリジゴクが好きだったのに、自分では自由研究に取り上げたことはない。
たぶん、自宅近辺には見つけられなかったからだろう。
でも、大人になってから、課題に悩む娘をけしかけて、アリジゴクの研究をさせたことはある。

ご存知のかたも多いだろうけど、実は、2010年に、蟻地獄を夏休みの自由研究に取り上げた小学校4年生の吉岡くんが、「アリジゴクは排泄しない」という「通説」を覆す大発見をしている。

なんて素敵なニュースなんだ!
すでに調べつくされ、排泄はしないという、ガチガチに固まった通説がある。
しかし、吉岡くんは偶然見つけたおしっこらしきものをきちんと記録に残し、「やっぱり食べたら出すはずだ!」と自分の疑問を持ち続けて、専門家たちを打ち負かした。

しかし、これで打ち止めではない。
まだまだ、やつには謎はある。
ひょっとしたら、やつらはテレパシーとかがあるかもしれないではないか。

たとえば、どうやって、やつらはお隣さんとの快適な距離を保っているのであろうか?
あんまり近すぎたら、巣が重なってしまうが、どうやって、お隣さんの巣の存在を知るのであろうか?
そして、集団で狩りをするようなことをするのであろうか?
つまり、やつらを広い面積にたくさんはなしたら、なるべく離れて巣をつくるのか、それとも、なるべく固まって巣をつくるのだろうか?
たとえば、その一帯に入ったら、こっちの巣から逃げ出しても、また、つぎの巣に落ちてしまい、体力を失くしたアリはかならず、群れのだれかの巣の餌食になるようになっているとか・・

だとしたら、どうやって、やつらは仲間と連絡をとっているのだろうか。
まだLineを使っていないことは間違いない。

残念ながら、もう娘たちは自由研究の年代は過ぎてしまった。
孫ができて、小学生になるまで、この野心的な研究は、こころに温めておこうと思う。

それにしても、自分の素朴な疑問を育てることの大切さは、どうだ!
通説や常識に、すぐに負けてしまう自分が情けない。

吉岡くん、ありがとう!
僕もがんばります!