「小袖スタイルの新きもの発売!」だったりして
先日、風水土のしつらい展のとき、今井先生に、
「これからの着物は、室町時代のころの小袖にかえる必要がある」
と言われて、気になっている。
そこで、ちょっと、「小袖スタイルの新きもの発売!」というのを空想してみた。
*室町時代の普段着を、現代に蘇らせた「新ふだんぎ着物」!
*おはしょりなしで、簡単に着れる!
*身幅が広く、あぐらでも、立膝でもOK!
*ややこしい帯結び不要。細帯で、前で結んでOK!
ああ、ちょっと想像しただけでも、喧々囂々の大騒動が予想される。
だらしない!っていう声が多いだろうなあ。
そんなの、着物じゃない!とか。
しかし、おはしょりなしの身丈だったら着崩れしにくいし、さっと、着れる。
あぐらや立膝で座れるほど、身幅が広ければ、そのままくつろぐことができる。
帯だって、細いものをきゅっと結ぶだけだったら、簡単だし、新幹線や飛行機に何時間座っても、ぜんぜん、問題なし!
畳に、正座のスタイルは、たかだか、江戸時代以降。
いまの着物着付けの細かいルールなんて、第二次世界大戦以降のものが多い。
いまの着物の着方は、まるで、メスを惹きつけるためだけに、やけに大きく華やかになりすぎてしまった、南国の鳥みたいなところもある。
かっちり美しすぎて、機能的には、かなり不便。
やっぱり、ふだんぎの着物の再興には、小袖の伝統の復活が必要だ。
「小袖スタイルの新きもの」を、もう一度考えてみる。
なんだか、現代の、強い女性には、とってもよく似合う気もして。
風を切って、新宿の街を、さっそうと歩き、国際線に乗って、ケネディ国際空港を闊歩する。
ふむ、しかし、田舎の洟垂れ娘のイメージと重なるところもあるなあ。
やっぱり、まだ見ぬ「小袖スタイルの新きもの」のためには、ずば抜けて創造的なデザイナーが必要だ。
いでよ、次代の川久保玲!
( 写真は アンティーク寄せ襦袢)