ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

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後発のネットショップが2年で年商1億に成長した5つの秘訣

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ICHIROYA(日本向けサイト)


海外向けのアンティーク、リサイクル着物のネットショップを10年前に立ち上げて、もうすぐ年商3億というところで、リーマンショックに直面。
売上げはみるみる減少して、年商1億を切るところまで追い込まれました。
それでも良いかと思っていたのですが、さすがに生活費すら稼げない危機を感じて、2年前に国内向けのネットショップを立ち上げました。

日本向けのネットショップをオープンしたのは、2年前の5月です。
多くのお客様に支えられて、国内向けのネットショップの現在の月商は800万強。
おかげさまで、年商1億が見えるところまで、来ました。
海外向けもそれなりに売れているので、単独のネットショップとしては、ずば抜けてはいないにせよ、まずまずの売上かと思います。

ネットショップでお客様に喜んでいただくだけでなく、このブログでも読者のかたに喜んでいただくためにはどうしたらよいのか。
そう考えたら、後発ながらここまで来れたこと、そのために僕らがやったことは、ネットショップ運営のかたの、何かのヒントになるのではないか、そう思いつき、この記事を書くことにしました。

ただし、あくまで、「年商1億レベルの専業ネットショップをつくるために、僕らが何をやったか」という話なので、 ヤフオクや楽天をやっているかた、ネット販売だけではなく、実店舗もやっているかたには、そのまま参考にはならない話です。
また、アンティーク、リサイクル着物というあくまで一点ものを扱うという商品特性があり、これを読まれているかたの商品特性にはそぐわない点もあるかもしれません。
僕の話のなかから、実際に役に立ちそうな点だけ、うまく取捨選択してもらえれば、と思います。

 1、楽天でもオークションでもなく、オリジナルの自社サイトで勝負する


楽天派のかたも、オークション派のかたもおられるでしょう。
でも、僕は、あくまで、自社サイト派です。
もちろん、自社サイトを収益化したあとに、複数店舗展開をして売上げのかさ上げをはかることは、ありえることかと思います。
しかし、収益の源泉は、自社サイトのオリジナルな作りこみから、と思うのです。
たとえば、僕らのサイトでは、1万点以上の在庫を扱っており、なるべく検索しやすいようなつくりにしています。
サイズで検索できるのはもちろん、色で検索することもできます。
たくさんの画像を効率的に見てもらえるよう、詳細画像の出し方も、1枚1枚出す方法と、一度に全部だす方法の両方が使えるようになっています。
また、アマゾンさんのように、その商品を見たひとが、どんな商品を見たかも、出てくるようになっています。
既存のショップに勝つためには、すくなくとも、ユーザビリティで勝る必要があります。
ユーザビリティ(使いやすさ)のありかたは、商品特性によっても違うと思います。
また、日進月歩のネット環境にあっては、既存ショップがつくられたときには実現できなかった方法が、実現できるようになっているかもしれません。
それぞれの商品特性に合わせて、現在望みうる、最高のユーザビリティをもったECサイトはどんなものか、とことん考えてみることが必要かと思います。
おそらく、そのためには、ざっと200万ぐらいはかかるかもしれません。
しかし、その200万は十分投資する価値がある、と僕は思っています。

2、最初はリスティング広告とソーシャルマーケティングで

 サイトはつくっても、お客様が来てくれないことには、何も売れません。
検索エンジン対策(SEO)は、すぐに成果を期待できないので、最初は、PPC広告リスティング広告)とTwitterFacebookなどのソーシャルマーケティングが集客の主力となります。
PPC広告については、一冊の本がかけるほど深いノウハウがあり、僕も、2泊3日の講習会に参加させていただき、かなり勉強しました。
数百から数千の複合キーワードを登録して、経費対広告を見ながら、コントロールしていきます。
マーケティングの常識で考えれば、新規1顧客あたりの広告費は、2000円程度かと思いますが、PPCの精度をあげていけば、その費用を大幅に下回ることが可能です。
はっきりしていることは、PPC広告はネットショップ運営者が自ら深く勉強してマスターする価値がある、ということです。
ぜひ、書籍をじっくり読んだり、セミナーに参加してマスターすることをおすすめします。

また、ソーシャルマーケティングの活用も重要です。
ちょうど、2年前はTwitterが急速に普及し始めたころで、僕も時間があれば、Twitterにかじりついていました。
いまなら、なんといってもフェイスブックです。
こうしたソーシャルマーケティングでは、自社の宣伝は極力抑えて、メンバーや交流するひとたちの役に立つことが重要だと思います。
役にたっていれば、やがて、めぐりめぐって、お客様は、自社にも利益をもたらしてくれるものだと思います。


そして、忘れてはならないのは、急速にシェアが広がったスマートフォンの対応です。
間違いなく、スマートフォンへの最適化を武器にした、新しいECサイトが勃興してくることでしょう。
僕自身も、この分野でちゃんと対応しないといけないと思っています。


3、いまもむかしもSEO(検索エンジン対策)が肝

SEO(検索エンジン対策)は、PPC広告ほどテクニカルなものではなく、一般的に言われていることを、こつこつ積み上げることになります
感覚的には、TwitterFacebookでの言及での比重が大きくなっている気はしますが、基本はどこにでも書いてあるようなことかと思います。
なるべく多くの、関連のあるサイトからリンクをもらう。
有料ディレクトリなどにも極力登録する、ということにつきます。

パシのSEOブログ さんが非常にわかりやすいので、熟読することをおすすめします。

また、その際、サイトのコンセプトをいかに絞るか、ということが一番重要です。
たとえば、「リサイクル着物」「アンティーク着物」「中古着物」は、おおむね、良く似た言葉で、普通に使うときには、どの言葉を使うかは意識しない場合が多いかと思います。
しかし、SEOの観点から言えば、「リサイクル着物」「アンティーク着物」「中古着物」はまったく別物です。 
そもそも、サイトのコンセプトをつくるときに、一言で言えば、何のサイトか、ということを、はっきりと煮詰める必要があり、そのコンセプトでSEOも貫く、ということが最も重要なのです。

そのうえで、もし、複数のキーワードに対応する必要があれば、それぞれのキーワードについて、別々にSEOを、しかも徹底的に施すのです。

僕らのは、そうしてSEOを、こつこつ2年積み上げた結果、Google/Yahooの検索順位は、

「アンティーク着物」 1位
「リサイクル着物」  1位
「中古着物」     2位
 

となっています。
そして、ある日、ふと、ビッグワードの「着物」で検索してみて、8位にいることに気づきました。
2年前、日本語のネットの世界では存在すらしなかったのに、並み居る諸先輩に伍して1ページ目にいる! これは予期しない嬉しい驚きでした。

 4、ネットショップに来てくださったお客様にベストをつくそう


僕らはネット販売専業です。
同業の皆さんから、店舗をもったら、とよく薦められますし、お客様からも、見に行きたいので店はないのか、と聞かれます。
しかし、いまのところ、店舗をもつ予定はありません。
とにかく、ネットショップを見に来てくださるかたに、僕らができる最高のことをしたいからです。
もし実店舗があれば、それでなくても集めるのに苦労しているアンティークの逸品を、店舗に回す必要があるかもしれません。店舗に出していれば、ネットで買おうとしたお客様がボタンを押したときには、すでに売れていた、というような事故もおきるかもしれません。
また、店舗で実物を見てもらえばよい、と思った時点で、ネット上で、より正確に、ありのままにその魅力と欠点をお伝えしようとする、熱意や工夫が失われてしまうかもしれません。
また、もちろん、店舗の経費をどこかで吸収しなくてはならなくなります。
いつかは店をもつかもしれませんが、店を持つことのマイナス面も十分考慮する必要があると思うのです。

また、自社サイトとヤフーオークション、楽天のそれぞれのショップは、基本的に並立しえない、というのが僕の考え方です。
自社サイトをたちあげても、すぐには十分な売上がとれないので、ヤフーオークションや楽天さんにも出店する。そちらが簡単に売れるので、そちらに重心が移っていって、自社サイトはおざなりになる。
しかも、ヤフオクと楽天さんでは、凄まじいラットレースが繰り広げられており、消耗してしまう。
僕が見てきたところでは、そういったことになってしまうところが多いように思います。

僕自身は自社サイト派ですけれども、楽天さんでの成功も大いにあることかと思います。
しかし、肝心なことは、「自社サイトを、石にかじりついてでも、とにかく収益化させる」か、「楽天さんでのラットレースに、死んでも勝ち抜く」か、どちらを選んでも、それを実現するまでは、ほかの売り先を考えたりしないこと、かと思います。

そのためは、とにかく自分たちのネットショップ(自社サイトであれ、楽天さんのショップであれ)を見に来てくれたお客様に、自分たちがもっているすべてを提供して、ベストのサービスを提供する、ということにつきる、と思うのです。

5、本気でやれば、きっとできる
 
じつは、リーマンショックで売上げが落ち込んでからも、僕は長い間、うじうじしていました。
すでに諸先輩方は数年以上、ネット販売をされている。
いまから国内向けにはじめたところで、売れるはずがない、そう思っていたのです。

しかし、いよいよお尻に火がついて、僕らは、まさに背水の陣で、国内向けのネットショップを立ち上げたのです。
そして、ネットショップのノウハウ、着物のことを、いちから勉強しなおしました。

そして、なんとか、できたのです!
後発でも、ネット環境は激しく変化しており、僕らが割り込ませていただいて、そこでお客様にひいきにしていただく余地があったのです。

あなたも、本気でやれば、きっとできるはず、と僕らは信じています。
 

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そして、こうして僕らを育ててくれたお客様、ほんとうに、心から感謝しております。
皆さまのお陰で、僕ら、そして十人強のスタッフたちは、大好きな着物に囲まれて、今日も1日を送ることができます。
ありがとうございます!

今後ともよろしくおねがいします!