男が屈するとき

体温計を見てびっくりした 39.8度である
50を超えた身体にこの高熱は効く
医者に行くとインフルエンザと診断され、即刻点滴となった
入院しますか、との魅力的な提案を辞退して、流石に事務所には帰れず、自宅に帰って布団にもぐりこんだ
しかし、最近の薬はすごい 喉から吸い込む薬があって、それをやって寝たら、翌日の昼には、平熱に戻っている
ブログは毎日更新すると決めたのである
男はインフルエンザに屈せずこれを書いている

ところで、普段からこの先生にはお世話になっている
高脂血症である。コレステロールが高い
数年前に、薬を飲みなさいと言われ、それを断って生活改善に取り組んだ

甘いものをやめた
がぶがぶ飲むコーヒーも砂糖を入れるのは朝一回だけにした
どうしてもハーゲンダッツが食べたい時は、夕食直後に急いで食べる

運動しなくちゃ、ということで、スポーツクラブに通い始めた
でも、マシンに乗って、何十分もテレビを見ながら走ることの無為さに嫌気がさしやめた
どうせ時間を使うなら、人生が変わるほどの体験がしたいと思い、剣道を始めようと思い立つ
探してみると近所に子供たちの剣道教室があり、大人も受け入れてくれるという
即刻入れてもらって、剣士になるべく週に2回の練習が始まった
立派な防具も揃えてわくわくである
先生のおっしゃる通り毎日素振りもかかさない
しかし、すぐに、練習が地獄と気づいた
先生は中年の初心者ということでとても気を使ってくださるのだが、あまり特別扱いもできない
子供達は不死身である どれだけしごかれても、元気に打ちにいく
僕は気絶寸前である
いっそ気絶すれば楽になれるのだが、気絶もできず、子供たちの手前、列から抜けて迷惑をかけるわけにもいかず、文字通り、死にそうになった
そういう事情で、剣の道は、やめたわけではないのだが、ここ何年も遠ざかっている

じゃ、犬を飼って、散歩を楽しもう！ということになり、アイコンのラブが我が家に来た。ペットショップの売れ残りで、そろそろ子犬っぽい雰囲気がなくなっていたラブ。店のひとがラブと呼んでいたので、名前はそのままラブ。
ラブが来た当初、そうとう悪く、家のなかをむちゃくちゃにされたので、散歩も、ちゃんとつけをして歩かせようと、しゃかりきに教育した
立ち止まって匂いを嗅ぎたいときも、無理にひっぱっていく。
そうすると、40分散歩にでると、そのまま40分歩くことになり、運動には最適である。
が、それも長く続かなかった
わがままなラブは、いまでは、あっちこちで立ち止まり、くんくん、匂いを嗅ぐ。こちらもそれを引き剥がしてあるかせる意欲がうすれ、ラブのしたい放題である。
結果、40分の散歩にでても、継続して歩く時間はわずかになり、僕の健康のための散歩犬としては完全失格である

と、長い紆余曲折を経て、男は屈した
コレステロールを下げる薬を受け入れたのだ
その薬、メバロチンを毎日飲めば、無理に運動しなければならないこともない

なんとか記事は最後まで書けて嬉しい。
キレがないところは病中ということご勘弁ください。